2016.07.19.
国家知識財産委員会で「職務発明補償制度改善法案」を議決
政府は2016年6月29日に第17次国家知識財産委員会を開催し、「発明者と使用者の共存のための職務発明補償制度改善方案」を議決した。 すなわち、これまで職務発明補償制度で指摘されてきた「職務発明の二重譲渡のおそれ」、「企業負担」等の問題点を改善し、職務発明制度を活性化して発明者と使用者の権益調和をはかるという内容である。
◇ 主要内容:
◎承継手続きの改善 現在:企業が職務発明についての承継意思を通知した場合にのみ承継されるようにしており、その間に従業員が第三者に譲渡するおそれがある。 今後 ⇒ 従業員が職務発明を完成した時に使用者に自動で承継されるようにし、承継を放棄する場合にのみ通知するように改善する。
◎企業の実施権保障 現在:大・中企業が職務発明補償制度を導入していない場合、その職務発明に対する承継はもちろん通常実施権も剥奪される。 今後 ⇒ 職務発明が企業の費用でなされた点を考慮して、企業が職務発明補償制度を導入しない場合にも通常実施権は保障するように改善する。
◎制度導入義務化 現在:職務発明補償制度を導入していない企業や機関が国家R&D事業に参加する場合、結果物の流出のおそれがある。 今後 ⇒ 国家R&D事業参加機関については職務発明補償制度導入を義務化し、職務発明(R&D成果)の流出及び紛争のおそれを解消するように改善する。
◎職務発明範囲の拡大 現在:法律要件と効果が発明と類似するが職務発明の対象には含まれず補償問題についての規定が不備である。 今後 ⇒ 実質的に職務発明と同一な半導体配置設計、植物新品種も法上の補償金請求権が認められるように職務発明の対象を拡大するように改善する。
特許庁はこのような内容の発明振興法改正案を7月頃立法予告する予定である。
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